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第5章 カラダ  ―休日出勤―
2010/09/23(Thu)
 週末の金曜日、竜之介はチームスタッフの中島と昼食を済ませ、オフィスへ戻りながら明菜の事を考えていた。

 相席になった総務部のスタッフにそれとなく明菜の様子を聞いてみると、先週の初めから体調不良という理由で休んでいたが、一昨日から復帰しているという。

 ということは、明菜はあの日も含めて10日近く富岡達の調教を受けていたことになる訳で、一人の人間をあんな風に平然と扱う彼らの恐ろしさを改めて思い知った。

 そして富岡が明菜を解放したということは、明菜の調教が終わったと言うことになるのだ。

 しかしあのまま闇の世界に沈まされてしまわないかと案じていたのだが、とにかく仕事に戻っている事に少し救われた気がする。

『前は自信に溢れてきっぱりとモノを言う人だったでしょ。 ところが人が変わったみたいに大人しいの。 まだ病気が完全に治ってないんじゃないのかな?!』

 明菜の同僚に聞いた話は、竜之介を複雑な気持ちにさせた。

 それにしてもア×ルとヴァギナを同時に犯され獣のように叫びながらよがり狂う明菜の痴態を思い浮かべると今でも信じられない。

 目隠しされていたのではっきりと顔を見た訳ではないので本当に明菜だったのか?!と訝しく思うこともあったが、お尻にあった蝶の痣はまぎれもなく明菜だと思わざるを得ない。

――今さらボクがどうしようもしてやれないよな、、、

「どうしたんですか? 何か考え事でも?!」

「あっ、いや、、、別に」

「それにしても速水さんの肌ってホントに白くてとっても綺麗ですよね~っ。 羨ましいくらい」

「なんだよ、それ、、、」

 開発室の手前まで来た時、中島がふいに竜之介を見つめてしみじみと言った。

「何か特別にお肌のお手入れしてるんですか?」

「そ、そんなもんしてないよ。 男だしそんな必要ないしさ、、、」

「最近、テレビで女装コンテストってよくやってるじゃないですかあ。 速水さんなら良い線いくんじゃないないかしら」

「バ、バカなことを、、、」

「いやいや、竜之介だったら優勝間違いなしだ!」

 竜之介の身体が思わずビクッとすくむ。 二人を割って入るようにして喋ったのは、韓国出張でいないはずの橋本だった。 

「あれ~っ?! 橋本チーフ、お帰りなさ~い。 戻られるのは来週じゃなかったでした?!」

「あ、、、 お疲れ様です」 

 愛想を振りまく中島の隣で竜之介もペコリと会釈した。

「おう、ただいま」

「韓国の開発チームはいかがでした? 今度は私も連れていってくださいよ~」

「まあこんなドアの前で立ち話してないで中に入ろうぜ、お二人さん。 あっ、そうだ。 竜之介に頼みがあるんだ」

「えっ?!」

 竜之介は橋本に肩を抱かれ、開発室に入っていった。

             ◆

 竜之介は緊張した面持ちで橋本のデスクの傍らに立っている。

 この一週間は山科システムに出掛けた翌日から橋本は韓国に出張していたし、事情は知らなかったが明菜のアプローチもなかったので会社の中で嬲られることもなく竜之介は責任を負うプロジェクトに専念することが出来た。

 しかしアムールでどんな目にあわされたのか橋本は知っているはずだし、そのことできっとネチネチと嬲られると覚悟していた。

「山科のおっさん、なんか言ってきたか?」

――やっぱり、、、

「え、ええ、、、 仕事の方はスタッフの方とメールのやり取りで済んでいるんですけど、、、 何度か社長から電話が、、、」

「で、どうした?! ばれなかったか?」

「、、、電話には出ませんでした」

「ふふっ。 あのおっさんマジで気にいってるよなあ~、お前の事。 一度、デートしてやればどうだ?!」

「、、、そんなこと」

 橋本の白々しい言い方に竜之介は怒りを覚えた。

「でもあのおっさん、『俺のイチモツは凄くデカイんだぞ!』って自慢してやがるから、話が本当なら突っ込まれてみたいんじゃないのか?! くくっ」

 息が止まりそうになった山科の色黒のボテッとした重みのある肉茎が脳裏に思い浮かび、竜之介は怖気立つ。

「あの、チーフ、、、 ボクに頼みたいことってなんなんでしょう?」

 竜之介はだんだん声が大きくなっていた橋本の話をさえぎる。

「おう、そうだったな。 明日と明後日、休日だけど出勤できるか?」

「えっ?! 何ですか?」

――また何か企んでる、、、

 竜之介は不安で胸が騒ぐ。

「ちょっと俺の方の仕事を手伝って欲しいんだ。 実は韓国のラボへの開発仕様に問題が発覚してさあ。 早急に修正しなきゃプログラマー達が遊んでしまうんだ」

「どんな不具合なんですか?」

「通信系の部分だからお前にチェックしてもらうのが一番早いし安心なんだけどなあ」

「あっ、はい。 そういうことなら、、、 大丈夫ですけど、、、」

「そうか。 じゃあ済まんが頼む」

「わかりました、、、 あのぉ、それでボクだけですか?!」

「ああ。 お前だけさ。 出来ない奴が何人いても一緒だからな」

 確かに韓国ラボの案件は、会社にとって重要なもので通信関係が得意な竜之介が手助けするというのはもっともらしい理由なのだが、それだけで終わるとは竜之介にはとても思えない。

 何よりもニヤリと笑って電話をかけだした橋本の表情がそれを物語っているように見えた。

――だれも居ないオフィスで、、、

 しかし明菜があんな目に会ったのを目の当たりにし、恵理にまで魔の手が及ぶ可能性を思うと竜之介には拒めなかった。

             ◆

 翌日の土曜日、普段と同じ時間に出社し、橋本と二人で開発仕様の見直しを始めた。

 二人きりの開発室の中でいたぶられるかと案じていたが、韓国ラボを育成する責任を負っている橋本は本気で竜之介のアドバイスを求め真剣に取り組んでいる。

 予想外の橋本の態度にこの案件を手伝っている間は何もしてこないのだろうと安堵し、竜之介は仕事に没頭した。

「なんとかなりそうか、竜之介!?」

 夜9時を過ぎた頃、橋本が不安げに尋ねてきた。

「はい。 だいたい目処は付きましたよ。 仕様書に落とし込むだけですから後5時間もあれば完成しますよ」

「サンキュウ!  助かったぜ~。 さすが竜之介だ!」

「えへっ。 どういたしまして」

 竜之介は自分だからこそ短時間で問題点を解決出来たという自負があり、橋本の言葉を素直に嬉しく感じた。

「今日はこれぐらいにして残りは明日にしようや。 腹減っちまった」

「でも、今から頑張れば朝までには出来ますよ」

 竜之介は二日続けて休日が潰されるのは避けたいのでこのまま残って仕上げてしまいたかった。  

「守衛室に泊まりの届け出してないしさ~。 お礼に飯おごるぜ」 

「そうですか、、、」

「それを持って韓国に行くのは月曜日だし明日中に出来るなら問題なしさ。 いつもの焼き肉でいいか?」

「はい!」 

――会社の人もよく行く店だし、チーフと飯行くのは久しぶりだからそれもいっか、、、

             ◆

 よく二人で行っていた安い焼き肉屋で食事する橋本は、倉庫で口淫を迫る橋本とはまるで別人だ。

 あんなこと事が二人の間にあったのがウソのように、肉を食べ、生ビールを飲み他愛のない話で笑いあう楽しい時間を過ごす。

「竜~っ! 早くホルモンを喰ってしまえよ~。 締めのうどんが喰えないじゃないか~」

「はい、はい。 相変わらずホルモンは嫌いなのにうどんだけは好きなんですね~」

「うるせ~! 牛の臓物なんて人間の喰うもんじゃないぜ」

「でもその出汁があるから旨いんですよ」

「汁ならいい。 このゴムみたいな触感のビラビラした形が俺のうどんにくっ付いているのが許せん!」

 ホルモン嫌いのくせにホルモン鍋の出汁で炊くうどんだけは大好きな橋本がいつものように並べる御託が可笑しい。

 信頼しあえる先輩・後輩の関係に戻れたようで竜之介はとても嬉しかった。

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