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第5章 女のカラダ  ― アモール・再び ―
2020/07/27(Mon)
「あらっ、いらっしゃい」

「こ、こんばんは、、、」

 ドアを開けた瞬間、店を間違えたのか思うほど店内のイメージが変わっていた。

 ライティングのせいかアムールは前より隠微な雰囲気が漂っていた。

「怜奈よ。 覚えてくれてる?」

「は、はい、、、その節はお世話になりました、、、」

 見覚えのある大柄なゲイのママがカウンターの中から微笑んだ。

「おほっ?! 仕事中っていうから男の格好でくると思ってたんだが、そんな姿で仕事してんのか?」

 カウンターのスツールに腰を掛けグラスを傾けている富岡がニヤニヤしながらそうに言った。

「あぁぁ… はい、、、」

 竜之介は意外に感じた。

 今日の事は、橋本チーフも結託しているんじゃないかとここに向かう電車の中で考えていた。

 女装して仕事をさせられ、その日に呼び出されたのは、あまりにタイミングが良すぎる。

「まあ、座って一杯飲めよ」

「は、はい、、、」

 竜之介は富岡の隣に座った。

 呼び出された時から分っていた事なのに、富岡とグラスを交わした後を想像すると胸が詰まる。

 記憶はないが、この男はDVDに映っていた刺青男と同じように自分のア×ルを汚した卑劣な男だ。

「何になさいます?」

 カウンターの中から怜奈ママがしなをつくりながら竜之介に聞いた。

「あっ、え~っと、、、 お任せします、、、」

「じゃあ、今日の貴方のイメージに合わせてピンクレディがいいかしら?! それともぉ~、この前と同じギムレットがいい? うふっ」

 怜奈がにやりと微笑みながら言った。

 すべては一月前、長谷川に連れてこられたこの店で、睡眠薬入りのギムレットを飲まされた時から始まったのだ。


          ◆



 警戒してカクテルには唇を付けただけで身を固くしていると、竜之介はスタッフルームに連れていかれていた。

 そこには、並木と並んでにこやかに談笑するJULLEY の長谷川の姿があった。

「は、長谷川さん、、、 あなたって、、、」

 もしやと思っていたが、やはり一連のおぞましい出来事は、長谷川が係わっていたのだ。

 竜之介は言わんとした言葉を飲み込んだ。

 今更、ここで長谷川を罵っても何ともならない。

「早く脱いで! 成長した身体、生で見たいわ」

 並木に命じられ、ジャケットを脱いだ。

 長谷川がカメラを抱えて立ち上がる。

 竜之介が動くたびに届く連写のモーター音と瞬く眩いフラッシュの光が羞恥心を掻き立ててくる。

 富岡と並木、そしてカメラを構える長谷川の前で自ら服を脱いでいくのは、強引に剥がされるよりはるかに羞恥心を煽る。

―――あぁぁ、、、 恥ずかしい、、、

 残ったスカートを下ろし、竜之介は下着姿で立ちつくす。

「早く素っ裸にならんか!」

 富岡が怒声を発した。

「は、はい、、、」

 ジワジワせりあがる被虐の快感に包まれ、パンストを脱ぎブラジャーを外した。

「隠すんじゃない! 音楽に合わせて踊りながらモデルらしいポーズをしろや!」

 富岡の叱責に、竜之介は胸を覆っていた両手を下ろし、スタッフルームにも微かに聞こえる店内に流れるスローなジャズに合わせて身体を揺らす。 

「ひゅ~~っ! こりゃ凄い! 前に見た時は作り物のバストだったのに、短時間でこんなに素敵なおっぱいになっちゃって」

 動きに合わせてフルフル揺れる竜之介のバストに長谷川が感嘆の声を上げた。

「みちるちゃん、今度はランジェリー特集にも出て欲しいなあ。 露出の多いセクシー系の下着は読モたちは嫌がるんだけど、君は大丈夫だよね?!」

「もちろんよ! この子ったら、放置プレイされてもお股を濡らしちゃう子なんですから」

 並木が、明菜に公園で受けた仕打ちをからかう。

「みちるちゃ~ん! 視線を頂戴! 」

 スタジオ撮影の時、カメラマンに掛けられた言葉を長谷川が発した。

「いいねえ! 怒った表情が超セクシーだ!」 

 視線を送った先が眩く光り、連写音が響く。

 長谷川が竜之介を煽ってきているのは分かっている。

 しかし、フラッシュの度に浮かびあがる自分の裸身に、竜之介の羞恥心は掻き立てられ、身体が火照ってくる。

 その羞恥に肌を紅潮させ恥かしがる様をまた面白がってカメラが追いかけるのだ。

「ふふっ。 息が荒いな。 何をされるのかワクワクしてきたか?!」

「、、、違います! 恥ずかしいだけです、、、」

「ふん。 露出症のくせに何言ってやがる。 フロアに出たらお前のイヤらしい身体、お客さんにたっぷり見て貰えるから安心しろ」

―――ウソだ、、、

 竜之介は思わずしゃがみ込み顔を両手で覆う。

 このスタッフルームに来る時に通ってきたお店の中には、薄いカーテンで仕切られていたが、既に何組かのお客がいる気配があった。

「でも、顔は隠してやって下さいね。 うちの雑誌でいきなりナンバーワンを窺う人気モデルなんでね」

 長谷川が笑いながら言った。

「わかってるよ。 汚れたアイドルは値打ちが下がるんだろ」

――あぁぁ、、、 ボクはお店の中で辱められるんだ、、、

「はやく全部脱ぐんだ!」

 富岡の言葉にゾクゾクしながら竜之介は立ち上がり、ショーツを脱いだ。

「なんて身体なの?! 嫉妬しちゃうわ!」

 並木は竜之介のくびれたウェストを、撫でまわしながら言った。

「並木。 お前の好きなように変身させてやれ。 但し、人気モデルらしいから身バレしないようにな」

 富岡にそう言われると並木は待ってましたとばかり、部屋の隅にあるクローゼットに駆け寄り竜之介に着せるモノを物色し始めた。




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