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第5章 カラダ  ―秘密倶楽部―
2010/08/23(Mon)
―富田刑事と約束の金曜日―

「すいません、、、 じゃあ、お先に失礼します」


 竜之介が上司である橋本に早退の挨拶をしたのは5時を少し過ぎていた。

 指示された渋谷の交番に7時に着くには十分過ぎるほど余裕があるのだが、その前に”女子高生・みちる”に変身する時間が必要だ。

「そっか。 早退届、出てたっけな」

「はい。 納期が迫ってるのにすいません」

「まあ、プロジェクトのお前の担当分はスケジュール通り進んでるし構わんよ。 今日も暑そうなセーター着てるけど、誰かさんに虐められなかったか?」

 橋本が声を潜め、ニヤニヤしながら言った。

「ええ、、、 別に、、、」

「ふふっ、そうか。 で、大きな荷物かかえて新しい彼女と旅行でも行くのか、竜之介?!」

「いっ、いいえ。 そんなんじゃないです。 ちょっと母の故郷で用事があって、、、」

「ふ~ん。 まあ精々親孝行してくるといい」

 ウソだと見抜いてるぞとばかりに意味深な笑みを浮かべ、橋本は早く行けと追い払うように手を振った。

 竜之介はスケジュール遅れで目の色を変えてパソコンに向かっているスタッフ達を尻目に開発室を後にした。

          ◆
――良かった。 空いてた

 竜之介は着替えるために渋谷の小さなビジネスホテルの男女兼用トイレに入った。

 最近は女装していると意識せずに女子トイレを使えるが、女性用トイレで男だとばれたことを思うと怖いし、女装姿で男性用トイレにも入りずらいので少し前まではこういうタイプのトイレを探して利用していた。

 着ていた服をを素早く脱ぎ、バッグに入れていたセーラー服に着換える。

――急がなくっちゃ

 化粧ポーチを取り出し、便座に腰をおろしてメイクを始めた。

 目元をメイクしマスカラを付け眉を描く。 鏡に映る”みちる”に変わっていく貌にふとメイクをする手が止まる。

――どうしたいんだ、ボクは、、、

 富岡たちに凌辱される場所へ出向く為に、玩具のように犯す男達に会うために綺麗に貌を仕上げている自分が分らない、、、

 どこか妖しくざわめいている自分の心を竜之介は持て余している。

 仕事を続けるためには、恵理に災いが及ばないためにはしかたがないことだといくら頭の中で今日の事を正当化しようとしてももう一人の自分が『それだけじゃないでしょ』と囁いている。

 思い悩みながらも手慣れた動きでメイクは進み、ローズピンクの口紅をさして竜之介は女子高生・みちるへの変身を終えた。

「ふぅ~~、、、」

――ボク、行くしかないんだ、、、 みちるになって

 竜之介はバッグを肩に個室を出て急ぎ足でビジネスホテルを出た。


        

          ◆

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