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第4章 翻弄  ―取り調べ―
2020/07/05(Sun)
 初めて足を踏み入れた薄暗い取調室に竜之介は不安を覚えた。

 TVドラマと同じように机を隔てて富岡警部の対面に座り、並木という婦警が調書を取るために背後の机に向かって座っている。

 窓からはすっかり陽が落ちて繁華街の瞬くネオンの灯りが見えた。

 取り調べが始まると、違法薬物の売人ではと疑がっている事が分った。

 未成年の中で脱法ハーブが蔓延していて、売人の中に若い女がいるという情報があるらしい。

「いつまで黙ってるんだ?! 素直に喋れば楽になるぞ。 名前は?」

 とんでもない濡れ衣を晴らさなければとと思うが、どこまで喋ればいいのか、会社や親に知られずに解放されるのか竜之介は悩んでいる。

 最初は素性に付いて無言を貫いていたが、竜之介は口を開いた。

「タツノスケ、、、、、、」

「名字は?」

「、、、タ、タナカ」

 咄嗟に偽名を口にした。

 下手に警察に名前を控えられたりすると、何かの時に不利になりそうな気がした。

「ははっ。 タナカ タツノスケか、、、 随分と男らしい名前だな、お嬢ちゃん。 で、歳はいくつだ?」

「、、、24」

「ふふっ。 随分歳喰った高校生だな。 仕事は?」

「会社員、、、」

「どこの会社だ?」

「、、、、、、」

「家族はいるのか?」

「、、、、、、」

「しょーがねえなあ、、、 じゃ、身体検査するか。 脱いで身体を見せてみろ」

「えっ?」

「女子高生にしか見えないお前が男だという。 だからお前の証言の前提が事実かどうか確かめるには、身体を見れば一発だろ?!」

「そんなあ、、、」

「ふんっ。 お前を見てると女に裸になれって言ったような気分になるなあ」

 富岡は、理不尽な要求に恥ずかしがる竜之介を面白がってからかっている。

 竜之介はうなだれたまま考えを巡らせる。

「要はお前が女子高生じゃなかったら補導なんてしなくていいんだ。 大人の男の証拠さえ見せてくれたらそれで済むじゃないか?! そうだろ」

「、、、、、、」

 男だと証明できれば解放される、、、 しかし精巧なブレストフォームを装着し、女性用のランジェリーを身に着けた姿を見られたくはなかった。

「あの、、、 会社の名前を言えばどうするんですか?」

「当然、タナカ タツノスケという男性社員が在籍するのか、確認させてもらうさ」

「……でも、休日のこんな時間だから誰も居ないと思います、、、 仮に誰か休日出勤してたとしても電話は取らないと思いますし、、、」

「そうか。 お前の素性を証明してくれる人は他に居ないのか?」

 女装趣味を知っているのは、恵理以外に居ない。

 シアトルとの時差は16時間だから現地は深夜だし、仕事で出張している彼女にこんなことで連絡をするのは何としても避けたい。

 両親や橋本先輩にとも思ったが、女装の事を知られると思うとどうしても思いきれない。

、何より会社に問い合わせられ女装趣味を知られるのはなんとしても避けたい。

「こんな詰まらん事で時間を無駄にするな。 早くしてくれ。 お前が誰なのか証明してくれる人に連絡をすることすら拒んでいるからだぞ」

 竜之介は俯いていた顔を上げ、富岡をじっと見つめる。

「男だと確認できれば帰してくれるんですね?!」

 思い悩んだ末、竜之介は富岡警部の言葉に従うことを決めた。

「まあ。 まずはその確認が出来てからだな。 脱ぐならグズグズしてないで早くしろよ!」

「あぁぁぁ、、、 、はい、、、」

 竜之介は立ち上がり、ふぅ~と大きく息を吐き、そしてセーラー服のファスナーに手をかけた。



        ◆

「ふふふっ。 高校生のくせに随分大人びた下着つけてるのね」
 
 恵理が買ってくれた白いレースのブラジャーで覆われた胸を手で被う。

 上着を脱ぐといつの間にか傍に立っていた並木婦警が上着を奪うように取りあげ、机の上に無造作に置いた。

――あぁぁ、、、 身体が熱い、、、

 下着姿を晒すのは悔しくて仕方がないのだが、恥ずかしさはその比ではない。 

「この下着、随分高級そうだが、盗んだんじゃないのか?」

「ち、違います! 自分で買いました。 あっ!?」

 並木と名乗った婦警が竜之介の手を払い、ブラジャーをずらしてカップの中を覗いてきた。

「あらら。 何コレ?! ちゃんとおっぱいがあるじゃない!」

「いやっ! 止めて!」

 並木が背後に回り背中のフックを外し、ブラジャーを取り去ると、プルンと揺れた。 


「うふふっ。 Cカップはあるわねえ」

 竜之介はうずくまり、バストを手で隠す。

「ち、違います! こ、これはブレストフォームって人工バストです!」

「嘘つけ! じゃあ外してみろよ」

 富岡が怒気を含んだ声で叫んだ。

「リムーバーを今持ってないから外せません、、、 無理に外すと肌が傷ついて、、、 よ、よく見てください! 境目がわかるはずですから、、、」

 並木が竜之介が指さす部分を顔を近づけて凝視し、指でさすった。

「あら、ほんと! 良く出来てるわねえ、コレ!」

 並木が感嘆の声を上げた。

「並木。 その偽物のおっぱいの中、何か仕込んでないか確認してみろ」

「はい」

――仕込む?! 何言ってんだ、こいつら、、、

 並木は竜之介のバストを内部に何かないかバスト全面を場所を移動しながら指で押していった。

 何もないと並木は首を振って富岡に合図した。

「ブラジャーの中に仕込んでないかもチェックしろ」

 並木はブラカップを手で揉みようにして何かを調べているようだ。

「警部。 何もありません」

「そうか。 次はスカートも脱いでもらおうか」

「えっ!? もう十分じゃないですか! この胸見たら男ってわかるでしょ!」

「はあ?! 見せてねえじゃねえか! おっぱいが貧しい女が見栄で付けてるかもしれんしな。  さっさと脱がんか! 立派なものがぶら下がってたら男として認めてやるよ」

「なっ、なんでそんなことをしなきゃいけないんですか?」」

「さっきも言ったが、脱法ドラッグを捌いている女ってのが女子高校生らしいってタレコミがあってな。 もしかしたら女に化けたお前じゃないかと疑ってんだよ」

「ま、まさか。 そんな事、ボクには関係ないです、、、」

 予想もしない嫌疑をかけられているのが、セーラー服で外出したことにあったとは竜之介は悔やんだ。

「どこかに隠しているんじゃないのか?! 女ならではの肉筒の中に隠していることもよくある話だからな」

――この人たち、本気で疑ってるのか?!

「脱げないなら脱がしてやろうか?」

「い、いやっ、、、 赦してください、、、」

「なんだ!? チ〇ポがぶら下がってるのを確認するだけだぞ。 それとも女だと認めるのか?!」

「ち、違います、、、 脱ぎますから」

――ヤクの売人だなんて、、、 とんでもないことになっちゃった、、、

 タックをしてペニスを隠した下半身を見知らぬ警官たちに晒すことになるなんて信じられない。

 恥辱で頬が赤らみ、息が上がる。

 身体を小刻みに震わせながら、竜之介はフックを外し、スカートをストンと下ろした。

「おおっ?! おまえ、やっぱり女じゃねーかっ?!」

「まあ、ホント! 女の子じゃないの、あなた」

 二人は膨らみのない竜之介の白いのビキニショーツの股間をみて一応に驚きの声を上げた。

「い、いえ、違います! こ、これはタックっていう、、、 あの、、、 ペ×スを、、、」

「ここからは私が! セクハラになりますから警部は隣の部屋で控えて頂けますか?」

「ちっ。 邪魔くせ~な~」

 ぶつぶつ言いながら富岡警部は部屋を出て行った。

 二人とも、竜之介の股間を見て女と認定し、女性の恥部の検査は婦警でなければ問題になると判断したのだ。

「ショーツを脱いで。 あそこに薬を隠していないって分かれば帰れるのよ。 恥かしいでしょうけど、捜査に協力してちょうだいな」

 両手に医療用のゴム手袋をはめながら並木が言った。

「あぁぁぁ、、、 赦してください、、、 ボクは男なんです!」

「ふふっ。 このまま所持品検査を拒み、あなたが男だと言い張るなら、帰れないわよ。 留置所は雑居房なの。 そんなセーラー服着て4,5人の男と一晩無事に過ごせるかしら?! 消灯してから何があるか分からないわね」

 並木が優しい声で恐ろしい事を囁く。

――ただの脅しに決まってる、、、

 そう思うがこうなっては、下半身を晒すしか潔白を示す方法はないと竜之介は覚悟した。

 様子を見ていた並木は、竜之介が承諾したのだと確信したのか、ショーツの両端に指をかけ、一気に引き下ろした。

「いやっ! あぁぁぁあ、、、」

 竜之介は顔を両手で覆い立ち尽くす。

「うふっ。 どこが男の子なの? 無いじゃない?!」

「ち、違います! ちゃんとあります! ちゃんと、、、」

「何処に?!」

「う、後ろに、、、」

 竜之介は、恥ずかしさで眩暈がしてよろめく。

「後ろ?! 手を頭の後ろで組んで股を開いて立ちなさい!」

「あぁぁ、、、 は、はい、、、」

 竜之介はおずおずと並木の声に従った。

「きゃあ! あった!」

 竜之介の背後から股間を覗き込んだ並木が上擦った声で叫び、壁にある鏡の前に駆け寄った。

「警部! ありました。 ペ×ス! 股の間に挟んでて後ろから先っぽが出ています」

 マジックミラー越しに見ているだろう富岡に報告した。



 程なく富岡が取調室に戻ってきた。

「容姿からは信じられんが男だったんだな、お前。  じゃあ次は机の上に上がって股を開いてみろ」 

「そ、そんなっ、、、 、男だって分かったでしょ!」

「ダメだ! さっきも言っただろ。 オカマのお前にはオマ○コが無くてもケツの穴はあるだろ。 ケツ穴にヤクを隠してないか調べるんだよ」

「そ、そんな、、、 ボクはオカマじゃないっ!」

「だから女ならオマ〇コ、お前みたいなオカマ野郎の隠し場所はケツの穴と決まってるんだ。 男だと分かったが未だに名前すら名乗らず捜査線上に浮かんだ売人の風体に似ているおまえは怪し過ぎるだろ?! 捜査に協力してくれんかな?! 持っていないと分かったら直ぐに帰してやるから」

 あり得ない状況に竜之介の胸は心臓が苦しくなるほどに鼓動を打っている。

―――どうしよう、、、 どうしよう、、、

「早く終わらせようぜ。 無実を証明したいんだろ?!」

 夢遊病のように竜之介はフラフラと机に上がり、そして四つん這いになった。

「あははっ。 ほう~~! これはどうなってるんだ?!」

 富岡がタックの接合部分を指で摩る。

「あうぅぅ、、、 皮膚用の接着剤で、、、」

「へえ~~、なるほど!! 金玉の袋でチ×ポを包みこんでる訳だな」

「は、はい、、、」

「この中に隠してないのか?」
 富岡が皮膚の合わせ目の左右を摘まみ、開こうとした。

「やめてください! あの、、、 今は外せません、、、 医療用の接着剤なのでリムーバーがないと外れないんです。 無理に剥がそうとすると皮膚が裂けてしまいます!」

「ふん、、、 面倒な奴だ」

 富岡は皮膚の合わせ目に沿って指を押し込み、タックの中に何か入っていないかを調べた。

「あぁぁ、、、」

「ここはいいだろう」 

 富岡がふいに合わせ目の先端の隙間から出ているペ×スの先端を指でつまんだ。

「あうっ!」

「けっ! なんだ、おまえ。 チ×ポの先、ヌルヌルじゃねえか。 裸を見られて興奮してやがるのか?!」

 富岡は、指先に付いたぬるみを穢れたもののように竜之介のヒップに擦り付けた。

「ち、違いますっ!」 

「並木。 ゴム手袋をくれ」

「はい」

 富岡は手袋をはめ両手の指を組んで指に密着させ、竜之介のヒップの前に回った。

「ケツを調べて何もなかったらお前は無罪放免だ。 それとも雑居房に泊まるか?!」

「ほ、本当ですね、、、 本当に帰してくれますね?!」

「ああ、本当だ。 氏名不肖ながら無実の奴をブタ箱に入れるわけにはいかんからな」

「わ、わかりました、、、」

 竜之介はヒップを高くからげる姿勢を取った。

 
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